■アメリカのバイオテロ法に基づく食品輸入関連規則(案)(2003.6.16)
FDA(アメリカ食品医薬品局)は、2002年6月に成立した「バイオテロ法」に基づいて、食品の輸入に関する新たな規則(案)を発表している。
それによれば、アメリカで人や動物が消費するための食品を製造、加工、包装、保存するアメリカ国内外の食品施設は、2003年12月12日までにFDAに登録することが義務づけられた。また、アメリカに食品を輸入する場合は、貨物が国境・港に到着する日の前日の正午までに、FDAに届け出ることを義務づけるというものだ。
FDAは現在、パブリックコメントを受け付けている。
日本からアメリカに食品を輸出するほとんどの企業に影響が出るものと見られており、その動向に十分注 意しなければならない。
なお、詳細については、日本の農林水産省、FDA(アメリカ食品医薬品局)のホームページをご覧ください。
<農林水産省>
<FDA>
法律について
報道発表資料
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■世界のバイオ産業をリードするアメリカのバイオベンチャー(2003.6.3)
アメリカのバイオベンチャーの動向等について、日本政策投資銀行ロスアンジェルス駐在員事務所の西山健介氏の講演を聴いた。同氏は最近、「バイオ産業をリードする米国バイオベンチャー」というレポートを発表した。
アメリカのバイオ産業においては、大学発ベンチャーが大きな役割を果たしている。また、研究開発はベンチャー企業、販売は大手製薬会社という二極化現象がすすんでいる。
アメリカでは、ベンチャー企業を立ち上げ、株式公開とM&Aをねらい、キャピタルゲインを得るというビジネスモデルができあがっている。また、ベンチャー企業の成長モデルがパターン化しており、投資家が将来像や投資� �収をイメージできる環境にある。これがアメリカのバイオベンチャーの強さの背景だと西山氏は解説する。
代表的なバイオクラスターとしては、カリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリア地域、マサチューセッツ州ボストン地域、カリフォルニア州サンディエゴ地域などがあげられる。バイオクラスターでは、集積が集積を呼ぶ。人材、資金、ビジネスのそれぞれのインフラが存在しており、起業精神文化の存在も大きい。
技術移転に関しては、大学のTLO (Technology Licencing Organization) が大きな役割を果たしている。アメリカの大学発ベンチャーの場合、研究成果(特許)は大学が保有する。大学が企業に特許をライセンスし、大学や発明者の大学教授に特許料が入る仕組みである。1980年に制定されたバイ・ドール法の成果だ。一方日本では、大学に法人格がないため大学は特許を所有することができない。これが大学の独立行政法人化が進められた理由の一つでもあるそうだ。
西山氏は、日本でバイオベンチャーが育つためには、日本での成功事例と、日本型バイオベンチャー創出のビジネスモデルが構築されることが必要だと指摘する。また、日本のバイオ産業振興は、内発的発展を目指す地域戦略でもあるともいう。
北海道の基幹産業である農業・水産業などに根ざしたバイオ産業の振興が、北海道経済� �性化の1つの鍵となるのではないかと考えながら、講演を聴いた。
なお、レポートは日本政策投資銀行のウェブサイトに掲載されている。
大恐慌をwhenwas
■買い物をして学校に寄付をしよう(2003.5.7)
アメリカではDonation(寄付)活動が盛んで、人々の意識にも社会にもそれが広く定着している。地方公共団体や政府に認定された公益法人・団体などに対する寄付は、税控除の対象となることもそれを支えている。
寄付の対象には学校も含まれる。
例えば、ある大規模小売業者は、自社が行う学校への寄付活動の結果、2003年3月末までに8,600万ドル(約103億円)をアメリカ国内の学校に寄付したと先日発表した。
同社が行う寄付活動は、消費者が同社のクレジットカード(大手カード会社とのジョイントカード)を使用して、同社の店舗で買い物をした場合はその利用額の1%、同社以外で買い物をした場合はその利用額の0.5%を、消費者が事� �に指定した学校(1校のみ)に対して同社が寄付をするというもの。消費者が寄付先の学校を指定できることから、消費者自身がその学校に貢献しているという意識をもつことができる。
類似の活動を行う企業もある。
例えばあるスーパーマーケット業者(ドラッグストアも経営)は、消費者が指定した寄付先の学校名を表記した紙製のカード(バーコード付き)を発行し、消費者が商品を購入する際にレジでそのカードのバーコードを読み取ることで、購入額の一定割合を指定された学校に寄付している。
また、ある事務用品小売業者は、消費者が精算の際に寄付先の学校名をレジで告げることによって、購入額の一定割合をその学校に寄付している。
いずれの企業の制度も、消費者自身が学校に貢献しているとい う意識をもつことができること、企業の介在により比較的少ない手間で多額の資金提供が行われること、企業が寄付という形で地域社会に貢献していることから、たいへん優れた制度であると感じる。
■世界のフィルム・コミッションが一堂に(2003.4.15)
映画やテレビ番組などのロケーション誘致を目的とした世界最大規模の見本市 "Locations Trade Show" が、4月11日~13日にロサンゼルス近郊のサンタモニカ市で開催された。主催者は、フィルム・コミッションの世界組織であるAFCI(Association of Film Commissioners International)。
毎年開催されているこの見本市は、今回が18回目。30か国以上から200以上のフィルム・コミッションが出展した。来場者数は3,000人以上(前年実績)。
日本からはAFCI会員の神戸と大阪が出展。また、全国フィルム・コミッション連絡協議会が日本各地のフィルム・コミッションをPRするため、神戸・大阪とは別に出展した。北海道は、この協議会のブース内でパンフレットの配布、北海道を紹介するビデオの放映を行い、道ロスアンゼルス駐在員が来場者からの質問等への対応に当たった。
ロスアンゼルスに本拠を構えるある映像プロダクションから、会場で放映した北海道のPRビデオの提供依頼があったほか、パンフレットを手にする来場者も多く、北海道をPRする良い機会となった。
(会場内の様子 はこちら)
■サマータイム(夏時間)始まる(2003.4.7)
4月6日(日)午前2時からサマータイム(夏時間)に移行した。これにより、日本とロスアンゼルス(アメリカ西部時間)との時差は-16時間となった。(例:日本時間の午前9時は、ロスアンゼルスでは前日の午後5時。)
なお、今年の夏時間は10月26日(日)の午前2時まで。
■ガソリン価格が高騰(2003.3.7)
レギュラーガソリンの価格が、1ガロン(約3.79リットル)あたり2ドルを突破した。
AAA(Automobile Club)の調査によれば、カリフォルニア州のレギュラーガソリンの平均価格は$2.007で、過去最高の$2.022(2001年5月)に迫っている。
私が定点観測しているガソリンスタンドでは、本日現在$2.079で過去最高を記録した。2001年12月には$1.119だったので、2倍近い価格である。
ガソリン価格の上昇は、イラク問題などを背景とした原油価格の高騰によるものだが、この高騰を受けて製品価格や輸送費への転嫁の動きがあるとの報道もあり、経済活動への影響が広がりつつあるようだ。
なお、参考までに2001年12月と2003年3月のガソリンスタンドの写真を添付する。(写真はこちら)
■テロ警戒レベルが「黄色」に(2003.2.27)
アメリカ政府は、2月7日に「オレンジ」引き上げたテロ警戒レベルを、本日(2月27日)「黄色」に引き下げた。黄色は上から3番目のレベルで、「要注意」を意味する。
なお、「オレンジ」発令後、テロ事件は発生していない。
レベルは下げられたものの、引き続き、テロへの警戒が必要だ。
ドイツではどのくらいの弁護士が作るのですか
■テロ警戒レベルが「オレンジ」に(2003.2.13)
アメリカ政府は2月7日、テロ警戒レベルを高度の危険を意味する「オレンジ」に引き上げた。「オレンジ」は上から2番目の警戒レベルで、昨年9月10日に引き上げられて以来のこと。(前回は、その後2週間で引き下げられた。)
「テロ警戒レベル」は、2002年3月12日にアメリカ政府によって制定されたもので、5段階に分かれており、危険度の高い順に「赤」「オレンジ」「黄」「青」「緑」の色で表示されている。
国土安全保障省では、「オレンジ」への引き上げに関して、警戒レベルを上げた理由はもちろん、政府の対応について説明しているほか、不測の事態に備えて、各自が電池式ラジオ、3日分の水・食料、医薬品、懐中電灯、目張り用のテ ープやシートなどを用意することを勧告した。
新聞には、Q&A形式で具体的な対応について説明した記事が掲載されている。またテレビニュースでは、政府が準備するよう勧告した品物を買い込む人々の姿や、警官による市内の巡視の様子などが繰り返し放映されている。
しかし、私の周辺では各自警戒を強めてはいるものの、2001年9月のテロ事件以来、日常的にテロに対する警戒をしているためか、それほど緊迫した状況というわけでもない。
■アメリカの環境法・労働安全衛生法への適切な対応を(2003.1.28)
先日ロスアンゼルスで開催されたセミナーで、玉虫完次氏(バイリンガル環境・安全・衛生・ISOコンサルタント)の講演を聴いた。「米国環境・安全・衛生法違反に対する企業リスクと法令順守対策について」と題して行われた同氏の講演において、重要だと感じた項目を簡単に紹介する。(玉虫氏が用いた表現とは異なる部分がある。)
アメリカの環境法は、法規制が複雑だ。連邦法、州法が複雑に絡み合っている。また、規制が重複した場合は規制の厳しい方が適用されるので、注意が必要だ。
罰則は厳しく、連邦環境法では、罰金は(最高1日あたり27,500ドル)×(違反日数)で積算され、対応が遅くなるほど罰金が高額� ��なる。また場合によっては、民事罰または刑事罰、販売・流通停止の処分が課される。さらに、修復費用や設備投資、従業員のトレーニング費用なども支出しなければならない。
企業の買収や工場・土地の購入時には、「有害物質で汚染された土地などの浄化に関する法律」に注意が必要だ。汚染を知らずに購入しても、購入者にその処理の責任がある。処理費用は1社(1サイト)あたり平均約30億円というデータもあり、企業の存亡にかかわる。
製品や部品を海外から輸入する際には、輸入者がメーカーと同様の責任を負う。アメリカ当局のリストにない化学物質については、輸入者または製造者は、輸入または製造の少なくとも90日前までに許認可を受けなければならない。また、化学製品には、その危険性を告知する英語� ��記のラベルの貼付が必要であり、それが自社内だけで使われるものであっても、同様である。
また、法律への対応に関して当局から助言を得る場合、最終判断と責任は工場側にあり、当局の担当官は以前の見解を翻す自由が認められている点も要注意である。
なお、アメリカ企業のなかには、こうした環境リスク、企業責任、トップマネジメントの責任を減らすために、第三者による環境監査を実施しているところもある。
アメリカの環境法・安全衛生法への適切な対応のため、細心の注意を払う必要があることを、セミナー参加を通じて強く感じたところである。
Portageは何か
■小さなまちの商店街活性化の取り組み(2003.1.10)
先日、ロスアンゼルスの新聞であるまちの商店街活性化の取り組みが紹介された。まちの名前は、シエラマドレ。ロスアンゼルスの北東約30キロの小高い丘の上にある人口1万人の小さなまちだ。
商店街の魅力を高めるため、このまちでは100万ドルをかけて中心市街地の再整備に取り組んでいる。その一環として行われたのが街路灯整備。ここは1910年代、1920年代の面影をとどめている街並みを持つので、それにふさわしい街路灯や特別デザインのベンチ、ごみ箱が設置された。
30歳の市長は、また、地域内での買物を促進するため、まちの花であるフジの色を使ったラッピング用紙を作成し、各商店に無料で配布した。
街路樹は枝が広 がるタイプが採用された。商店主からは反対の声もあがったが、枝払いをきちんと行うことを条件に承認されたという。
行ってみると、本当に小ぢんまりとした商店街で、車で少し走るとすぐに通り過ぎてしまうくらいの規模だ。
確かに商店街は小さいけれども、こぎれいなレストランや喫茶店、画廊、小物屋、ホテル、スーパーマーケットなどがあり、地域の人たちが生活を楽しむためのお店が一通りそろっている。喫茶店の前の歩道にはテーブルと椅子が並べられ、冬の太陽を浴びながら近所の人が飲みものを飲みながら歓談していた。静かな商店街の雰囲気を楽しんでいるといった様子だ。
この商店街から車で5分の距離には大型ショッピングモールがある。にぎやかな雰囲気の中で買物をするならモールで、くつろ いだ気分で買物などをして時間を過ごすならこの商店街で、といった使い分けがされているのだろう。
小さなまちの小さな取り組みだが、まちを愛する人たちによって商店街が支えられていると強く感じた。
※商店街の写真はこちら
■カリフォルニア州知事が大胆な歳出削減を提案(2002.12.12)
カリフォルニア州のデービス知事は、今月6日、本年度と来年度にわたって102億ドルの予算削減を提案した。211億ドルを超える歳入不足が生じることに対する措置。この提案に対する検討が、今月9日から州議会で始まった。
102億ドルの削減のうち、公立学校・大学などの教育関連が32億ドル、健康・福祉関連が20億ドルなどとなっており、削減はあらゆる分野にまたがっている。
州政府の資料によれば、この提案は、アメリカ経済、カリフォルニア経済がまだ回復していないためによるもので、特に、ハイテク産業の回復の兆しがはっきりとは見えないこと、イラクへの軍事攻撃の可能性があるために消費者の心理が抑制的に働き 、結果として株価が低下したことがその理由として挙げられている。
なお、提案内容は、カリフォルニア州のホームページに掲載されている。
■ロスアンゼルスで北海道をPR(2002.12.9)
11月30日(土)、12月1日(日)の2日間、ロスアンゼルスのコンベンションセンターで"Japan Expo 2002" が開催された。今年のジャパン・エキスポは、能楽などの日本の伝統芸能からアニメや自動車といった最近のものまでを総合的に紹介するイベントとなった。道ロス事務所は、このエキスポに出展し、会場内のブースで道産品のPRをはじめ、観光情報・企業誘致関係情報の提供、ロケーション・サービス(フィルム・コミッション)の説明などを行った。
PRした道産品は、菓子類、そば、雑炊、昆布など。たくさんの人が北海道ブースを訪れた。また、北海道からは海鱗丸ビール株式会社(本社:小樽市)の猿渡社長が、冷凍すしのPRのために参加した。
今年の入場者数は集計中だが、昨年は3万人を超す人出があり、今年も同様の賑わいであった。出展者数は約170社。
■アメリカ西海岸の港湾労使紛争が終結へ(2002.11.28)
アメリカ西海岸の港湾労使紛争が終結へ向かっている。
11月23日、船会社側と組合側が、組合員の年金額引き上げなどに関して仮合意し、新技術の導入などに関しても既に仮合意されていることから、紛争終結がほぼ確実となった。今回の合意内容の詳細は公表されていないが、当地の報道によれば、年金額を50%以上引き上げること、新協定の期間は従来の2倍の6年間とすることなどが合意されたようだ。今後は組合員の投票などによる批准手続きがすすめられることになっている。
この紛争は、新しい労働協定の締結に際して、港湾管理に関する新技術導入により港湾労働者の削減が見込まれることなどから両者の交渉が� �航したために発生した。
今年10月初めにはアメリカ西海岸の29の港湾が10日間封鎖され、大統領権限により強制的に港湾が再開されるなど、混乱が生じていた。
■税に関する州と市の情報共有(2002.11.21)
本日付けの地元紙にロスアンゼルス市財務局の広告が掲載された。内容は、"Los Angeles Business Tax Enforcement Program"(ロスアンゼルス事業税執行プログラム)に関するもの。
具体的には、最近制定されたカリフォルニア州法(州下院の法案第63号)に基づき、各自が州に提出する所得税申告書に記載された一定の情報を、ロスアンゼルス市が入手できるようになったというもの。
州税務局と市財務局が情報を照合することにより、ロスアンゼルス市内で無登録で事業を行っている事業所が捕捉されやすくなるため、事業税の税収アップが見込まれる。
■高い関心を集めた「冷凍すし」(International West Coast Seafood Show)(2002.11.6)
海鱗丸ビール(株)(本社:小樽市)が開発した技術を使って製造された「冷凍すし」が、ロスアンゼルス・コンベンションセンターで開催されたウエスト・コースト・シーフード・ショウに初めて出品された。
11月3日~5日に開催されたこのショウには約300社が出展。今回出品された「冷凍すし」は、Trans Ocean Products, Inc.(本社:アメリカ・ワシントン州)がオレゴン州内の工場で製造したもの。カリフォルニア・ロール、サーモン・ロール、ベジタブル・ロールの3種類とそれらをミックスしたものを加え、全部で4種類のパッケージがある。表面は透明フィルムで覆われているので、巻きずしに使われているサケ、カニカマ、アボガド、ニンジンなどの色もはっきり見え、食欲をそそる。TOP社の岡崎副社長によれば、「このコンベンションで『冷凍すし』はたいへん好評を得たので、今後の販売に期待できる。」とのこと。
北海道で生まれた技術がアメリカで活用されることとなり、この活動を支援している当事務所としても、今後の展開に大いに期待をしている。
■アメリカ中間選挙(2002.11.6)
11月5日(火)に中間選挙の投票が行われた。選挙の時期が大統領の任期の中間にあたることから「中間選挙」といわれる。アメリカでは "Election 2002" と呼ばれている。
今回の選挙では、連邦議会では、上院が全100議席のうちの約1/3の34議席、下院は全435議席が改選され、ブッシュ大統領が所属する共和党が上下両院で過半数を獲得した。36州の知事選挙も同時に行われ、カリフォルニア州では、現職のデービス知事(民主党)が接戦の末、再選された。
カリフォルニア州では知事のほか、副知事、州務長官、司法長官、教育長などの選挙が行われ、同時に州や郡の法案への賛否を問う住民投票も実施された。映画の都ハリウッドがロスアンゼルス市から分離・独立する提案は、投票の結果、大差で否決された。
投票用紙は選択式となっており、そのサンプルは住所を入力すれば、インターネット上でだれでも見ることができる。多様な人種構成を反映して、英語のほか、ス ペイン語、中国語、タガログ語、日本語、ベトナム語、韓国語でも情報が提供されている。
選挙運動は、候補者が車に乗って支持を訴えるスタイルではない。各地で集会を行うことが一般的なようで、私が選挙運動として認識できたのは、テレビコマーシャルと住宅街にわずかに立てられた候補者名を書いた小さな看板だけだ。テレビコマーシャルでは、現職知事は自らの政策の成果を強調したのに対し、共和党の新人候補は現職の失政を盛んに取り上げていた点が特徴だ。
■ハロウィーンからクリスマスへ(2002.11.1)
10月31日は、ハロウィーンで盛り上がる。
万聖節の前夜祭であるハロウィーンは、死者の祭りに由来するといわれている。ロスアンゼルスの中心街には、マスクを頭からすっぽりかぶった人、ドラキュラのマントを羽織った大人たちが現われた。ウエスト・ハリウッドで開催されたストリート・フェスティバルには、25万人以上の人が繰り出した。
我が家には、魔女、妖精の衣装や映画の人気キャラクターの着ぐるみなどを身に纏った子供たちが、「Trick or Treat!(お菓子をくれないといたずらするぞ)」と言いながらやって来た。
アメリカの小売り業界にとっては、ハロウィーンから感謝祭、クリスマスまでのホリデーシーズンが最大の書き入れ時。お店には、ハロウィーン関係商品の売り場がつくられる。子供ばかりではなく大人も対象の変装用衣装があふれ、大きなパッケージに入れられたチョコレートやキャンディーも山積みされている。道路脇の空き地には、ハロウィーン用の大きなオレンジ色のかぼちゃを販売する臨時のお店ができる。そこでは、ハロウィーンが終わると、クリスマスツリーがその場を占領する。
こうしたお祭りを大人も子供もそれぞれが楽しむことで、アメリカ経済が回っているような気がしてくる。
■オーガニック農産物に関する統一基準を導入-アメリカ農務省(USDA)(2002.10.29)
アメリカ農務省(United States Department of Agriculture)は、10月21日、オーガニック農産物の表示に関する全国共通の基準を導入した。この基準では、オーガニックのレベルは100%、95%以上、70-95%、70%未満の4つに区分されて農産物にラベル表示され、オーガニックのレベルが95%以上の農産物には、USDAの認定シールを貼ることができる。
なお、アメリカでは、オーガニック関連産業はここ数年間、年率20-25%のペースで成長しており、オーガニック食品の売上高は、2000年には78億ドル(約1兆円)にも達している。
基準の詳細は、USDAのホームページに掲載されている。
■サマータイム終わる(2002.10.28)
10月27日(日)午前2時に、サマータイム(Daylight Saving Time)が終了した。これにより、日本とロスアンゼルス(アメリカ西部時間)との時差は-17時間となった。
(例:日本時間の午前9時は、ロスアンゼルスでは前日の午後4時。)
■港湾再開、しかし正常化は先(2002.10.25)
封鎖されていたアメリカ西海岸の29港は、アメリカ大統領による指揮権の発動により、10月9日に再開された。
大統領介入の理由として、港湾閉鎖がアメリカ経済に対して損害を与えていること、軍事物資の供給等に影響を与えており、国の安全を脅かしていることが指摘された。
港湾再開から半月が経過したが、ある物流企業関係者によれば、港湾再開後の状況は次のとおりとのこと。
「従来、コンテナ入港後は翌日に配送できたものが、配送まで5日ほどかかっている。港湾労働者が作業のスピードを遅くしていることや大量の貨物が滞っていることがその原因のようだ。その一方で、大量の貨物が動くため、米国内の配送のためのトラックの手配にも苦� �している。コンテナ船の入港に関しては、米国船籍、アメリカへの輸入貨物を積載している船が優先されている。このため、日本からの急ぎの品物は航空便に切り替えて輸入している。しかし航空運賃が値上げされ、経費が嵩んでいる。」
港湾を管理する会社側と労働組合との交渉もその決着は簡単ではなく、港湾の正常化には時間がかかりそうだ。
■アメリカ西海岸の港湾機能が麻痺(2002.10.3)
アメリカ西海岸の港を管理する船会社と港湾労働者組合の間で行われていた新しい労働協定の交渉が決裂し、アメリカ西海岸の29の港湾では、9月27日から船会社側がロックアウトを実施している。
10月3日現在、この状態は続いており、アメリカ西海岸の港湾では、コンテナの積み込み、積み下ろしがまったく行われていない。
新聞報道によれば、給料の不払い、商品がだめになってしまうなど、1日10億ドル以上の経済的な損失が発生している。
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